棄てられた女、狂女と化す
さっきまで冷たかった身体が

だんだん暖まってくる。

そして…

熱く苦しくなってきた。

でも、一年間のあの苦しみに比べたら、

マシ。

わたしは、じっと耐える。

彼女みたいに叫んだりしないよ。


あいつがドアを閉めようとした。

反射的に、わたしは…

ミシミシと音をたて炎のあがる右腕を、

ドアの間に突っ込んで、静止させる。

「最後まで、見てよ」
< 35 / 58 >

この作品をシェア

pagetop