棄てられた女、狂女と化す
あいつの顔は真っ青。

「さっきの見て、おかしくなったのか」

わたしは、冷静に応える。

「わたしと一生、一緒だよね?」

「ああ、一緒に、決まってるさ」

ひきつり顔で、言う。

「…嘘つき」

わたしは、胸元に包丁を持っていく。

「何してるっ」

「だって、嘘ついたから。金目当てなだけよね」

「……」

反論が、ないか。

わかりやすいやつ。
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