借りられたい【TABOO】
彼の愛撫とキスが緩やかになってくると、胸元にカードが挟まれた。
「今日も貸出だな」
カードには、会った日付とこの後の待ち合わせ場所と時間が書かれている。
「今日で日付の欄がいっぱいになった。もう、貸出の本はおしまい。
 今日は、自分の意思で来るか来ないか決めて」
私は衝撃で目を見開いた。
憐は耳元で妖艶に囁いた。
「俺に盗まれることを望むなら、もう帰さない。隅々まで、なめるように読んであげる」
悪戯な笑みを浮かべて、憐は去っていった。





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