HELLO,goodbye.
『私は守って欲しくなんかない』
ねぇ、“守る”なんて言わないで
アンタは何もわかってない。
そんなことしたら
『死ぬわよ?』
あんただけは死なないで
だからアンタには、…楓(カエデ)にだけは守られたくないの。
“私を守ろうとすれば死ぬ”
脅しのつもりで私は強く言い切った。
それでも、
『「…………」』
どれだけ奥歯を噛み締めても、手のひらを握りしめても
微かに震える私の手足。
それは、隠しきれない不安定さ。
(楓がそれに気付かないはずがない)
『なめんなよ』
あまりにもいつも通り微笑むから。
あまりにも優しく髪を撫でるから。
『…っ……』
私は俯いてしまう
守ってほしくなんかないのに。