ろみじゅりっ!



まえから歩いてくる悠。

会うの、何年ぶりかしら?
最後に会ったのは…たしか
二年前…。


悠…大人になったね。


「のばら…久しぶり…」

「二年ぶりね…悠」


少し大人びた顔つきだけで
他はなにも変わっていない。

白い肌も、
話し方も、
笑い方も、
優しい瞳も。

なにひとつ変わっていないのに

どうして敵対しなきゃ
いけないのだろう。

「会いたかったわ。とっても」

「僕もだよ。会えてうれしい」

この笑顔をみるとほっとするの。

昔となにも変わらない気がして。


「ねぇ悠…」

「…なに?」

「私たち…なにも変わらないわよね?これからも…」

「…」

なにも言わずに
ただ見つめてくる悠に
心がざわつく。

「…それが…あなたの答え…?」

「…そう…とってくれてかまわないよ」

「そう…。とってもあなたらしいわね。だけど私…いまの悠は大嫌いよ…」

「…」

「レイ。行くわよ」

それがあなたの答えなら…

私はなにを信じればいいの?

なにもかもがただ虚しく
感じられて、
切なくて、苦しい。

「…のばら…よかったの…?あんなこと言って…」

「仕方ないのよ……。だって…私は華月家の人間で魔女なのだから…」


そう。

仕方ないの。


私も、大人に、

ならなくちゃ…
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