それは、甘い誘惑。


肩を落として図書館内を歩いていると、人気の無い奥の方に見知った人影を見つけた。

それは高校時代に仲の良かった男友達だった。

静かに近づいて行くが、彼は足音に気付いたのか、顔を上げこちらを見た。


「あれ?こんなとこで会うなんて珍しいな。1人か?」

「いや、彼氏とね…、来てるんだけど…。」

気落ちした声で答え、苦笑いを返す。

「ふーん…。そんな顔をさせるような彼氏より俺にしとけよ。」


そう言うなり彼は私の腕を掴んで抱き寄せ、気付いた時には、私たちのくちびるは合わさり、キスをしていた。



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