ナキムシとポチ
「すいませんっ!遅くなりましたーーーっ!!」

どんだけ走ったのか、どういう道順で行ったのかよくわからないけど肩や頭に草までつけて、ポチは袋を差し出して来た

「・・・6分ちょい」

俺はケータイを開いて所要時間をつぶやく。いや、コレは単純に早すぎたから驚きのあまりに出た行為だ

なのに

「すすすいませんっっ!作ってもらうのに時間が・・・いや!言い訳はしませんっ!先輩の昼飯の時間を6分も遅らせてすいませんでしたっ!」

・・・走って息切れしてんのに、よくまぁこんだけしゃべれんなぁコイツ

「――ご苦労さん」

袋を受け取ってそう言うと、何が嬉しいのかパッと笑顔になる

「・・・もう俺飯食うから教室帰っておまえも食えば?」

「はいっ!!」

大きく一礼して、ポチは小屋に・・・じゃねぇや。一年の教室に帰っていった




「美・少年だねぇ」

まだ居たのか、と横に立ってそう言う友人を一瞬見ると、ニヤニヤしながら俺を見てた

――まぁな。美少年だろう、ありゃ。
その美少年・ポチがなんで俺のパシリをしてんのか

それは3か月前に話が遡る








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