ブルームーン【タブー】
「へぇ」

 朋樹の瞳が不敵に揺らめく。

「そんなこと、気にしないのかと思ってた」

「朋が先に聞いてきたんでしょ。ちなみに、翔ならバイトが入っただけだよ」

 本当は人数合わせに二人で参加するはずだった。

「――アイツのことなんて聞いてねぇよ」

 途端、苦いものでも噛んだみたいに朋樹の顔が不機嫌に歪む。急に私のカクテルを勝手に飲み干すと手を掴んで物陰へと連れて行く。

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