この世の全てが敵だとしても



「知ってるー?」


先ほどと同様に、語尾を伸ばしながら久実に尋ねる。

何が?と言っている瞳を確認するまでもなく、私は続きを綴る。


「次、授業の中西いるじゃん?」


「あー、あのチビ、ハゲ、デブの?」


酷い言われようだな、と思うも、それは真実なのだから訂正しようがない。


「そそー。」


と軽く返事を返し、私はゆらりと口角を上げた。

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