この世の全てが敵だとしても
「あはっ。ゴメーン。」
教室には今日1番の久実の軽やかな楽しそうな声が響く。
「言っちゃダメだったー?」
フルフルと体を震わせて、怒りを顔に強く表している中西からは、聞くまでもなく、絶対に許さないと体が言っている。
「どこでそれを聞いたっ?」
鼻息荒く、床を強く踏み、語尾を荒らげながら久実に少しずつ詰め寄っていく 。
そんな様子の中西が近づいてきても、久実は平然とした様子…
ではなく、楽しげにそれを見ている。