この世の全てが敵だとしても


「どこでそれを聞いたんだと聞いているだろうがっ!!」


大きな声で久実を怒鳴りつけ、乱暴な口調でそう問う。


だけど久実は、全く怖がっている様子も見せずに、どこで、だったっけー?と言いながら、意味あり気に私の方をチラリと見た。

そんな視線を向けられると困る。


私が情報源だなんてバレてしまったら、困る。

こっちを見るな、という意味合いを込めて、眉間に軽くしわを寄せて、久実を見返す。


だけど直ぐに中西へと視線を戻した久実の目に入ることはなかった。



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