この世の全てが敵だとしても


ガタンッ。

教室に机が動く大きな音が響く。

その音源へと視線を向かわせれば、やはり久実と中西である。

中西は顔を真っ赤にして久実の腕を引っ張り、無理やり立たせたようだ。

「いったーいっ!」


片目を閉じ、その横にはしわを寄せ大げさなほど大きな声で叫ぶ。

その口元がどこか楽しそうなのは、気のせいではない。



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