この世の全てが敵だとしても


ここからでもわかるほどの剣幕をした中西は、もう誰にも止められない。


否、最初から止めるような人は誰もいないけど。


ガタガタと机や椅子の動く音が響く。


久実の周りの席の人達どころか、ほとんどの人達が教室の壁際へと避難した。

避難しても、その目はやはり久実と中西からは離れない。

近くの誰かと囁きあっている彼らは、顔には迷惑だと、眉根を寄せて傍観しているものの、どこかその瞳や口には楽しさが浮かんでいた。



ーーーーーーーー

< 26 / 39 >

この作品をシェア

pagetop