この世の全てが敵だとしても
「何か面白い事ないのー。」
呟くように言われたその言葉は、もはや疑問ではない。
私は、ないねー、と適当に返すしかない。
そんないつもの日常。
だが今日は、
「あ、」
久実が小さく声を上げた。
何か面白い玩具でも見つけたのだろう久実は、ニヤニヤと笑い出す。
あ、何故か嫌な予感がしてきた。
その予感は悲しくもやはり的中してしまう。
「今日、あそこ行こっ。」
そして私はああ、やっぱりか、と半分諦めた。
「じゃ、夜8時!いつもの場所で。」
彼女のその言葉は私の予定は一切無視だった。
最終的にはそんなに暇じゃないんだぞと心の中で反論しておくも、まぁいいかと久実に流されることとなったのだが。