この世の全てが敵だとしても


私の顔に怪しく浮かぶ三日月の唇を見た久実は、


「お?」


何かを感じ取ったのか、同じように唇を動かした。



「何?何?」


キラキラと目を輝かせる彼女に、あたしはゆっくりと唇を動かせて、



「セ・ク・ハ・ラ」


そう告げた。



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