ピエロ-私と中年男の記録-
母に連れられ
あれは小学校中学年のとき。

両親は仲が良く、周りから見ても理想の夫婦だったと思う。

しかし、母は毎週末の夜、おめかしをして出かけるのであった。

父も仕事の営業や付き合いで飲みに出かけることが多く、息抜きの意味もあってか、文句は言っていなかった。

ある日

「一緒に行ってみるで。」

母は、私を毎週行っているその場所へ連れて行ったのだ。

母はいつも綺麗にしていたのに…

着いた場所は決して綺麗とは言えない喫茶店。

小さく、薄暗い。

こんな遅い時間まで営業しているのか。

そう驚いたのを覚えている。

店の名前は


ピエロ。
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