【短】恋の季節
小さな図書館は明るい時間に
子供たちが絵本を借りにくるくらいで、

受け付けには優しそうなおじいさんが1人だけだった。



そんなところに受験生は珍しいようで。


「頑張れぇ。合格したら知らせてな。」

と、差し入れをしてくれたり
閉館時間をちょっと伸ばしてくれた。


(ふふっ…。それがすごい嬉しかったりして。)


子供たちが帰ると、ほとんどの日が1人になった。


でも、休憩時間はおじいさんが相手をしてくれるし。


不満をもって来たはずの図書館は
ちょっと遠いけど、お気に入りの場所になった。


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