【短】恋の季節
またくしゃみ…

(さすがにヒドい…「お嬢さん、名前は?」

後ろからかかる声。



“なまえはなあに?”



うそ…。

覚えてたの?


振り向けば、キラキラ瞳のハクション大魔王。


…あなたが、腰かけていた花壇から立ち上って、わたしと向き合う。



涙でにじんで、うまくあなたが見えない。

ずっと見てきたのに。
最後だけ見れないなんて、皮肉だな。



「…どうしたの?」

「おじいさんにあいさつ…終わって、待ってた。」
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