残酷Emperor



暫く間を置き彼が口を開く。


「駄目なんだ……。お前じゃなきゃ、意味ないんだっ!!」

初めて? くらいに見る、彼の私を見る真剣な眼差し。

不覚にも、何を言うのかとどきりとする。

「なっ……なんでよ」

健二から思わず顔を逸らす。
先程までは私が彼を説得していたのに、今はその逆だ。

しかもちゃっかり私の両肩に手をついてやがる。チッ


「だって……お前……」


何よ……。



「桐嶋の次に美人だろ?」

ん?

「んで桐嶋の次にモテんだろ?」


「……」


「んで桐嶋の次に頭が良くて運動神経が良い。そんなお前だからこそ……っだ。分かるだろ? お前以上に適任な奴はいない。そんなあいつにとってライバル的存在なお前が家に忍び込んで来たらどうする? 焦るだろ? 俺が行くんじゃ駄目だ。笑われて追い出されるだけだ! お願いだよ、朱実! 俺ら、親友だろ?」



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