残酷Emperor


え……誰、“こいつ”……。


てか、健二は……?


私の視線に気付いた“男”は、ニヤリ……と口元を緩めた。




ゾワッ……





身体の奥底に感じた事のない恐怖を感じる。


こいつ……何?


しかも、なんで左目に眼帯???


「ね、君」


男が口を開いた。

ゾワワッと再び身の毛がよだつ。


こんな人、私見たこと、ない。



「ななななんですかっ」



私はギュッとスマフォを握った。


(早く健二戻って来てよお、)




「人んちの前で大喧嘩なんて、度胸あるね」




え……。



「あれ? 自覚なし? 君たちの声、……丸聞こえだったよ?」



その言葉の意味を理解した途端、カアアアアア、と頬が熱くなるのが分かった。


と言う事は……つまり……。




男はニコッと微笑んだ。





「よくも“俺の”綾乃を泣かせたなあ、ああん? ふざけんなよ小娘がよお、綾乃に謝れや」





……全部、丸聞こえでした。






でも、ちょ、待って待って待ってー!

この人口だけ笑ってる!
でも目には鋭い光がああああっ


まじです。マジですよね!?



……本気なんですね。
< 7 / 15 >

この作品をシェア

pagetop