空色のテロリスト

・色気注意報


離任式なので学校に来た、
春休みおよそ10日目。

さよならしたはずの
2年生の教室で
きれいにした机に座る。

そう。机に。

先生が来るまではだいたい
こうしておしゃべり。

もちろん、視界の端に
雅志を捉えながら。

「この前結局どうしたの?」

そう、愛美は問うてきた。

「あのね、言ったのよ、
  あんたが好きだって。」

「で?」

「ふぅん、て。言うからさ。
  なんか気まずい感じで
  お互いだまってたら
  匠が雅志呼びに来てさ。
  部活行っちゃった。」

「え、返事は?」

「聞いてない。」

「え?返事して
  くれなかったの??」

信じられない、
という顔の愛美。

「そこはわたしが
  付き合って、とか
  言わなきゃいけなかっ…」

「ねぇ実花ちゃん!」

わたしと愛美の間に
若菜がニヤニヤしながら
やって来た。


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