空色のテロリスト

「香菜ちゃんのこと
  あんまり知らないけど
  4月から学校来てるじゃん
  それでこれからも
  来られるようにって
  先生言ってたから…」

「お守り役みたいで
  嫌だってこと?」

「そうなの。」

あの頃は香菜ちゃんのが
有利だった。近かった。

「あの子キツいって
  噂聞いたし…」

「うーん、まぁ
  キツいっちゃキツいけど
  悪い子じゃないよ」

彼女は支援学級で
彼氏がいたという話も
聞いているから、
もう雅志のことは
好きじゃないだろうな
…そう願う。


これが悪夢の始まりだと
気づいていれば
わたしはどうにか
できていたのだろうか。

悩んだ末結局
マネージャーを始めた
若菜だったが
入部してからも悩みは多く
しばしば相談に乗っていた。

相談に乗るのが
キツいこともあった。

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