空色のテロリスト
そう思ったのは
今しがた受けた
ハスタツの授業のせい。
「今度の模試終わったら
その点数をもとに
夏休みにやる面談で
志望校の相談に
入りますからね。
そろそろ、ちゃんと
始めた方がいいですよ。」
勉強ね。はいはい。
理科室から教室に戻って
机の中の教科書と
手に持つ理科の教科書を
入れ替えていたら
若菜が息を切らして
わたしの脇にしゃがんだ。
「今、宝積寺が、
雅志に彼女ができたって
言ってたの聞いた。」
若菜の顔が青い。
「今廊下に宝積寺
呼び出したから聞きに行こ」
───違うことを祈っていた。
せめて。せめて違う人なら。
廊下にでたら宝積寺が
居場所なさげに佇んでいた。
若菜が誰?と畳み掛けるも
わたしに目をやって
気まずそうにうつむく。