空色のテロリスト
わたしは完全に包囲された。
毅然としていよう。
怖いはずない。
どの先生もよく知ってるから。
「えーこうして
お集まりいただきましたのは
今年が『いみどし』にあたるので
そのことについて
話し合うためであります。」
「いみどし?」
思わず疑問を口にした。
「我々も知らなかったんだけど
この町には
怪しい言い伝えがあってね」
「いみどしって
どんな字を書くんですか」
「物忌みってあるだろ?
己に心って書くやつ。
あれに1年2年の年だ。」
国語の野崎先生が
すかさず教えてくれた。
顔は怖いけど心は優しいから
わたしは野崎先生が好きだ。
「忌み年は15年に1回だそうです。
それで、忌み年というのは
もともと魔物が暴れる年
ということだったので
その年には魔物を鎮める
大使を立てるそうです。」