空色のテロリスト

「仕事はね、
  魔物を封印することです。」

「え?」

これ、正気で言ってる?

「それから、魔物から
  王を守ることです。」

「え、魔物ってなんですか。
  ていうか王って誰…?」

先生全員、顔がマジですが。
魔物とかいるわけないでしょ。
そういうの一番信じなそうな
ハスタツまで真顔に
なっちゃってるじゃんよ。

なになになになに。

「王は、うちの学年に
  いるんです。」

石橋先生がため息をついてから
王の名前を言った。

「…えぇぇぇーっ!!」

「こら、尾久山
  驚く気持ちはすごくわかるけど
  騒ぐな、落ち着け。」

矢板先生になだめられて
わたしは慌てて口を塞ぐ。

「あいつが王?ありえない。
  というかそれ以前に
  この王とか魔物とか設定自体
  信じられないんですけど。
  非科学的じゃないですか。」

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