空色のテロリスト
「話を戻そう。」
……全国各地で疫病がはやり
世に悪がはびこり始めたのを
見兼ねた聖武天皇が出したのが
国分寺国分尼寺建立の詔。
それは741年のことであった。
全国につくられた国分寺の
総本部を奈良の東大寺とし
そこに黄金の大仏が作られた。
これが完成したのが752年。
さて、その国分寺を
建てていた頃、下野の国では
悪党が力をつけていた。
彼らは田畑を荒らし、
盗みを働き、というまぁ
典型的な悪事を重ねた。
食糧も気力も無くなった
住民にもはや抵抗力も無い。
そのうちに悪党らは
政治を乗っ取ることをもくろむ。
国分寺の建設段階から
潜入して謀反を起こし
権力を勝ち取ろうとしたのだ。
その計画を立てる
作戦会議を偶然聞いていた
村の百姓の長の息子、
志んのすけ。