空色のテロリスト


「古い本にはたまに
  収録されているらしいが
  まず残っていないし
  直に伝説を聞き伝えてきた
  世代はもう亡くなった
  人が多いんだ。」

「なにゆえですか」

「第二次世界大戦の時の
  混乱の中で忘れ去られた
  というのが建前。
  本当は混乱を利用して
  誰かが伝説を
  消失させようとしたようだ。」

「それって一体なんのために?」

「大使を不利にするため。
  そんな話を信じる人が
  減れば減るほど
  味方はいなくなる。」

「それで今ではこの話は
  人に話さないようになった
ってことですか」

「現在ではタブーとされる。
  記録によると
  それを知らずに周囲に
  大使であることを話したやつが
  半殺しの目にあった
  と記されている。」

ひっ。

「は、半殺し?!」

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