空色のテロリスト


待っているというか。
自分の用事なんだけれど。

少し気乗りしないまま
家に帰ると案の定
怒りの声がする。

「ただいまー」

「遅い!なんでたかだか
修了式だけでこんなかかるの?
急いで着替えなさい」

うちのおかあさんは
いわゆる教育ママ体質。

「1時前には出るんだからね
しかも今日はガソリンも
入れてかなきゃ」

慌ただしくまくしたてながら
お母さんはお昼ご飯の
チャーハンをこしらえていた。

わたしはいそいそと
自分の部屋に行き
制服をハンガーにかけた。
ため息をついたのは内緒。

「着替えたー?
もうチャーハンできるよ!」

「はい。」

「返事くらいしなさいよ!」

ワイシャツと靴下を
洗濯カゴに放りながら
わたしはキッチンに駆け込んだ。

「はいって言った!」

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