揺蕩い-タユタイ-
だけどここでいつまでも泣いているわけにはいかない。

昼間見た光景を無理矢理脳内から追い出しながら、慌てて涙を拭いて顔を洗ってメイクを直した。

すぅーはぁーと大きく深呼吸をしてからトイレを出たとたん


「やっぱり泣いた?」


という声。

顔をあげると、至近距離に立っていた人に腕をとられて引き寄せられた。


「ちょっ、何!?」


そしてそのまま顎を掴まれて唇を重ねてきた。


「んっ、……やっ……」
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