先生達とルームシェア!?



「お前、拓海っちのこと好きなの?」


後ろの方で随分と聞きなれた声が聞こえて、ビクッとする。

たっくんのこと、拓海っちって呼ぶのは一人しかいない。
いずみんだ。


「あ、和田先生、さっきの演奏よかったよ!」


あたしは振り向くと同時に話題を変えた。

満面の笑みであたしはそういうけど、いずみんは無表情。

今の話信じちゃった?


「桃花ー!瑞希ー!」


少しの沈黙が流れたそんなとき、遠くから名前を呼ばれた。

声がした方を見ると、千明がこっちに向かって走ってきてた。
一人ってことは彼氏さんはもう帰ったのかな?


「あ、そうだ吉谷。ちょっと手伝ってくれ」


そういうと、あたしの返事も聞かずに腕を引かれた。


「え、あ、ちょっと…っ!」

「いってらっしゃーい、適当に回ってるね!」


強引に腕を引かれてふらつくあたしを気にもせずどんどん進んでくいずみんはやっぱり真顔で。

そんなことに気づかない桃花に手を振られて、あたしはいずみんに誰もいない空き教室に連れられた。


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