先生達とルームシェア!?
「瑞希ちゃん怖いん?」
「あああ、当たり前でしょ!?ぎゃあ!なんかいるううう!」
気づけばびっくりするぐらい、透くんにしがみついてるけど、そんなこと今は気にしていられない。
叫ぶあたしを見て、ゲラゲラ笑う。
全く怖くなさそうなんだけど…
「怖くないの!?」
「そんなに怖い?あ、瑞希ちゃん後ろにおるで」
「きゃああああっ!!」
「うっそーん」
ひどい。ひどすぎる!
あたしはお化け屋敷なんか入るつもりはなかったのに!
透くんが勝手に!!
怖いよぅ…。
そう思うとじんわり目に涙がたまっていく感じがした。
視界もボヤけて、それがなんとなくまた怖くなった。
「え!ちょ!泣かんとって!ごめん!」
怒りを込めて全力で睨んで見るけど、涙が邪魔して姿がよく見えない。
両手で涙をぬぐってくれてから、透くんは困ったように微笑んで
「すんませーん、リタイアしまーす」
そう声を出した。
すると、電気がパッとついて回りの様子がハッキリ見えた。
急なことにびっくりしたけど、明るさがあれば怖さも少しはなくなった。
それから案内されて、怖いものはひとつも出てこずに外に出れた。
入り口の方に目をやると、『無理だと思った方はリタイア!と声を出してください』と言う紙が張られてあった。
入るときは気づかなかったけど、そんなシステムがあるんだね…