先生達とルームシェア!?

逃げない勇気のその先に





「えっと…今日の放課後、話あるんだけど、いいかな…?」



翌日の昼休みのこと。


私は勇気を出して透くんに声をかけた。



「わかった。ほな、放課後な」



透くんは、全てを見透かしたように悲しそうに優しく微笑んでくれた。


透くんが告白してくれてから、一ヶ月以上が経つ。


それでも急かすことなく待っててくれた透くん。


それがどれだけ不安で苦しくてドキドキすることか、恋した今の私ならちょっとだけわかるよ。


…だから透くんには、ごめんね、と、ありがとう、を。




午後の授業はあんまり覚えてない。


気づけばもう放課後で、生徒たちは下校や部活に急ぐ。


幸いにも残る者がいなく、教室には私と透くんの二人だけに。



「で、話って?」



私が緊張で話しかけれないのをわかってか、透くんは私が座る前の席まで来てくれた。



「えっと、透くん、あのね…」


「ちょっとストップ」


「えっ?」



透くんは自分の唇の前に人差し指を立てて、シーッというポーズを取った。




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