魅惑のキス
「―――立川」
「えっ?……キャッ!」
突然そばから名前を呼ばれて、その場に引きずり込まれる。
顔をよく見ると、そこにいたのは―――…
「ねっ……根本、先輩……??」
わたしよりずっと先輩の根本さんがいた。
少し切ない、でも怪しい目でわたしを見ている。
……なぜだかわからないけど。
根本先輩のその大きな瞳に、その手に、その唇に。
―――不思議とドキドキする。
「……立川」
「なっ……なんでしょうか……?」
なぜ根本先輩がここにいるのか。
だって根本先輩は今日、大切な用事があると言って飲み会にはこなかった。
―――なのになぜ、根本先輩がここにいるのか。