静かな図書館で…



「―――あなたのほうが、物欲しそうな顔してるじゃない?」



「フッ……それは、お互い様だろ?」



「そうね」



そして彼が唇を重ねてきたら、それは"イケないこと"のはじまりだ。
……そう、わたしはイケない子。



彼氏がいるのに、ほかの男性と甘くて激しいキスをする。
でもね?彼のその唇に、その瞳に。



―――わたしは酔いしれる。
彼氏とはべつの、秘密で甘い幸せな時間。



その時間だけは特別。
そう、誰にも秘密の特別な時間。



わたしはこのキスが好き。
彼氏とは違う、この甘ったるいキスが好き。



だけど。
―――ふたつともほしいと思うわたしは、とても欲張りでイケない女。



«完結»



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