彼にはナイショ
アキラ君と出会ったのは、半年前。
あの日も今日と同じ様に、サッカーの応援に来ていたけど彼氏と喧嘩になり、私は図書館へ逃げた。
自分勝手な俺様彼氏から解き放たれた解放感が何とも言えず、試合の度に訪れていた。
だけど一月ほど経った頃、図書館へ行く目的が変化していた。
いつも窓際に座り、本を読んでる男の人。
大人しそう・穏やか・草食系。
そんな印象を受ける人が何故か心に引っ掛かり、気付けば姿を探す様になっていた。
きっと彼氏とは真逆のタイプだから惹かれたのかも知れない。
最初はただ見ているだけで満足だったのに、段々其れだけでは足りなくなり、勇気を出して声を掛けた。
趣味や本の話、日常の出来事・彼氏の事。
会話を重ねるうちに、私の心にはアキラ君しか存在しなくなっていた。