彼にはナイショ
「私も…大好き。アキラ君、もっとキスちょうだい」
窓から入るグラウンドの声援を聞きながら、私達は日が沈む頃まで何度も唇を重ね合う。
「そろそろタイムリミットかな?」
試合終了のホイッスルが鳴ると、名残惜しそうに唇が離れていく。
「うん…また週末来るから…」
私は後ろ髪を引かれる思いで図書館を後にする。
「試合、お疲れ様」
私はなに食わぬ顔で彼を迎えに行き、作り笑いを向けながら今日も良い彼女を演じる。
いつかアキラ君と本当の恋人になれる日を夢みて…