青空、ハレの日☆年中ハレバレ
 ………でも、山積みの食器は慎重にお願いしますね。ちょっと、ぐらんぐらん揺れてますけど……

「わ、割るなよ!空兎!」

「にゃわ!?りょりょりょ了解っす!」

 必死になって揺れる山積みの食器を抑える空兎ちゃんが面白くて、僕は笑ってしまいました。


 同時に沸き上がってきた感情、それは───

 護りたい。

 それは、ヒーローとしての純粋な気持ちだった。


§


「おはようございます」

 次の日の本来のシフトの時間に海上さん、早沱さん、北郷さん、そして赤坂さんが集まってきました。

「あ、緋上さん。早いんですね」

「いえ、朝から働かせてもらいましたから当然のことです」

 おや?四人とも何でそんな顔をしてらっしゃるんですか?

 あ、皆さんにはまだ言ってませんでしたね。

「こう見えても体は丈夫なんですよ」

 だから、皆さん。開いた口を塞いでください。


§


 僕がこのファミレスで働いて十日程が経った頃で、店にご迷惑を掛けた損害分は賠償できたのですが、店長さんに気に入られたようなので僕はこのファミレスで働いています。

 余裕もできたので、僕は前の約束通り赤坂さん達とバイト終わりに飲みに行くことになりました。

「乾ぱ〜い!」

 カツーン!

 というコップがぶつかり合う心地よい音が店内に響きます。

 赤坂さんの音頭で始まった飲み会は、居酒屋の二階席で行われています。
 皆さんコップの中のお酒を一気飲みして、実に楽しそうです。

「すみません、僕のためにわざわざ集まってもらって」

「なになに!ぶっちゃけ、それは口実やねん!このメンバーは、よぅこうやって集まってはバカしとんねん!」

 海上さんはそう言っては二杯目のお酒を注いでいます。ちょっとペース早くないですか?

「おぉ、赤坂!緋上くんのコップ、カラじゃぞ!つりだりぃや!」

 すでに顔が赤くなっている北郷さんが僕の隣に座っている赤坂さんを促してくれます。お心遣い痛み入ります。

「了解です!」

 敬礼した後、赤坂さんが一升瓶を持って僕のコップに注いでくれました。

「ありがとうございます」
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