一度きりでいいから…。
「はぁ…」と深い溜息を吐き、一番奥の目立たない席で一人で苦手なビールを一口飲み込んだ時だった。



「宮沢さん?」


不意に誰かに声をかけられ、振り返ると

「やっぱり宮沢さんだ。綺麗になったね」

立川くんがニカッと私に微笑みかけた。


嘘。まさか、話しかけてくれるなんて。


しかも、綺麗になったねって言われるなんて思ってなかった。



どうしよう。泣きたいくらい嬉しい。




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