危険な後輩【TABOO】
「すっかり酔い潰れてしまいましたね、先輩」


 城岡くんの背中の上で、完全に寝息を立てている彼。


 街灯に照らされた暗い道を並んで歩いていた。


「ごめんね、運ばせちゃって」


「僕は構いませんよ。いつも世話になってるんですから」


 到着したのは、秀太が一人暮らしをしている部屋。マンションの五階の一番奥。


 玄関先に降ろされた彼は、酔い潰れたまま起きる気配がない。もう、しょうがないなぁ。でも、私より大きな彼を自力で運ぶ自信がない。


 もう少し手伝ってもらおうかと思って城岡くんを見ると、彼はすでに靴を脱ごうとしているところだった。


「先輩をベッドまで運びましょう」


 なにも言わなくても率先して秀太を運んでくれた。

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