キミのとなり
「嫌い。」
「なんでだよ?今までの女とは違うんだろ?」
「俺の顔しか見てないんだろ。あの女も。」
「でも、相沢さん、おまえにフラれたからって態度変えなかったじゃん。」
「そんくらい俺と付き合いたいからじゃねえの?女なんてそういう生き物なんだよ。」
「…相沢さんは…本当はおまえが優しい奴だってこと知ってる。」
「…口だけだろ。そーゆー風に言っておけば俺が自分にオチるとでも思ってんじゃねえの。」
「おまえいつまでひかりのこと引きずってんだよ?」
「は?」
「1年以上経つだろ?もういいかげん女にだけ冷たくすんのやめろよ。」
「おまえにはわかんねえよ。女がどれだけ怖い生き物か。」
「相沢さんだけは違う。断言できる。」
「…あの女も他の女も結局は俺の顔しか見てないんだよ。」
「…俺…話したんだ。相沢さんに…ひかりとおまえのこと…。」
「なんであんな奴に話したんだよ!」
「相沢さん…泣いてた。羅斗…あの子だけは今までの女とは絶対違う。あの子は…相沢さんは…おまえのこと、ちゃんとわかってくれる。だから…顔しか見てないとかそんな可哀想なこと言うな。」
「…おまえに何がわかるんだよ…。」
更衣室を出て、体育館の出口に視線を移すと、俺はすぐ立ち止まった。
「なんでおまえがいるんだよ…。」
「迎えに来ました!!」
幸せそうな顔。
『相沢さん…泣いてた。』
『相沢さんは…本当はおまえが優しい奴だってこと知ってる。』
さっきアイツが言ってたことを不覚にも思いだしてしまった…。