キミのとなり


「…一緒に帰るとか無理だから。」


「そうじゃなくて、今日…メールしても…いいかな?」


「俺、メール返さないから。」


シューズから靴に履き替える。


「それでもいいよ!ただ羅斗くんの携帯に届いただけでも嬉しいし!」


「…変な女。」


「なんか羅斗くんから言われたらどんなに嫌な言葉でもいい言葉に聞こえる!!」


そう言って笑う顔に不覚にもドキッとしてしまった自分に驚く。


「じゃあ俺もう帰るから。」


「バイバイ!」


笑顔で俺に手を振ってくる女…相沢萌。


なぜかその女がひかりにぴったり姿が重なって俺はすぐその女に背を向けて歩きだした。


心臓の鼓動が速くて自分でもびっくりしてる。


なんであんな女なんかに…。


あの女も他の女と一緒。


俺の顔しか見てない。下心あって同情するフリしてんだ…。





でも、なぜか、あの女は他の女とは違うんじゃないかって不覚にも思ってしまう自分がいた。
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