キミのとなり
羅斗side
「5通か…。」
ベッドの上に座りながらあの女からのメールをチェック。返信はしないけど…。
「はぁ?!これじゃ体調崩すだろ!」
サラダの画像がどかっと載ってて、『ダイエット中なんで。』って打ってある。
「プッ、てか、べつにダイエットしなくてもよくね?」
あの女からのメールを見て無意識に笑顔になる自分に心底驚く。
「なんで俺…喜んでんだ…?」
スマホの電源を切ってコルクボードに視線を移す。
ひかりと二人で撮ったプリクラ。
俺が助けてあげてたらひかりは今でも俺の隣にいたのにな…。
ベッドに横になる。
目を閉じると1年半前の記憶が鮮明に蘇る。
『ら~いとっ!』
帰り道。俺が歩いてたら必ずあいつが後ろから俺の名前を呼ぶ。
『おっ!ひかりじゃん。』
『ねえ、羅斗、明日さ、空いてる?』
『うん。普通に空いてる。』
『じゃあさ、遊園地いかない?だってさ、もう1ヵ月じゃん。』
『ああ。確かに。』
『じゃあ行こうよ!!』
『うん。』
『いぇ~い!!やった~~!!』
ひかりが一人で喜んで騒いでるとき、俺は見てしまった。
数人の女子がひかりをものすごい目で睨んでいるところを…。