キミのとなり


「無理。」


「えっ…。」


即…フラれた…。


「おい、神崎。おまえいいのかよ?あの子、この学年で一番可愛い子じゃん。」


「どこがだよ。あんなブス。」


グサッ…ブス…。


初めて聞いた羅斗くんの声。


冷たい声。


どうしよう…泣きそう…。


私…フラれちゃったんだ…。


ブスって言われたことよりもフラれたことの方が私にはよっぽどショックだった。


女の子たちのくすくす笑い声が聞こえてきて私はもう涙腺決壊寸前。


悲しさと恥ずかしさが同時に私の心を支配して胸がぎゅっと痛む。


涙が頬にこぼれ落ちてきて私は慌てて教室を出た。


トイレの個室に入って大声をあげて泣いた。


恥ずかしくて教室にもう戻れない。


せっかくマスカラ付けてきたのに涙でもうボロボロ。


こんなひどい顔を羅斗くんに見せられない。


ついさっき羅斗くんにフラれたばかりなのに、涙でボロボロになったマスカラでひどくなった顔を羅斗くんに見られるか心配してるおバカな私。


「まだ諦められないよ…。」


涙で枯れた声がトイレの個室の中で響き渡る。


こんなとき美緒がいてくれたら……。




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