キミのとなり

「だからもう告白してくんな。」


羅斗くんはそう吐き捨てると体育館の角を曲がって私の視界から遠ざかっていった。


女は信用できない…?


どういうこと…?


フラれたことよりもずっとそのことが気になって今回はショックは受けなかった。


「相沢さ~ん!!」


帰り道。私は声のした方に振り向いた。


「内田くん…だよね…?」


私が少し首をかしげながら言うと、内田くんは満面の笑みでこっちに走ってきた。


「名前覚えててくれたんだ!なんか超嬉しいんすけどっ!!」


すごく明るい性格。なんでこんな人が羅斗くんの友達なんだろう…?


絶対合わないと思うんだけどなぁ…。


「…私ね…またフラれたんだ…。」


「えっ!!またアイツに告ったの?!」


「ぅん…。」


「結構根性あるんだね!!」


「…女は信用できないって言われちゃった…。」


その瞬間、内田くんが急に無言になった。


驚いて内田くんの顔を見ると、内田くんの瞳が少し潤んでた。


「どう…したの…?」


「…あっ…ごめんっ…」


素早く目元を拭う内田くん。


「大丈夫…?」


「アイツにはさ…彼女がいたんだ…。」
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