そら、めぐる。
ガラガラガラ………
「乃愛〜‼やっと来たぁ〜。遅いよッ!」
「ごめ~ん」
あたしが新入したこの塾は進学予備校だ。
いわゆる“エリート校”。
入学テストがあり、合格しなければ入学出来ない仕組みだ。
あたしが新入出来たのが奇跡だと思う。
「乃愛の席はあっちだよー。」
「可奈は?」
「ここ」
「遠ッ!」
あたしの親友の田山可奈は面白くて最高の仲間。
あたしと同じ高1だ。
「可奈と遠いのイヤ~」
「しょーがないよー・・・成績上位者が前なの。成績順になってるの。どんまーい!」
はぁ。
こんなんじゃつまんないよ…。
「じゃあ、またあとでね〜」
「うん!」
さて…。
あたしも席着きますかー・・・。
可奈が教えてくれた席は、寂しく見えた。
席の辺りを見ても、知り合いはいない。
はぁ。
それより隣の人、綺麗な顔してるなぁ…。
男なのに、化粧してるみたいにキラキラツヤツヤの肌。
大きな目。
そして、薄い唇。
いーなぁ…。
女子の憧れの的だろう。
……ん?
隣の人と教科書違うんだけど…?
あたしの教科書は緑で統一されている。
隣の人の教科書は黄色。
確実に違う。
どういうことだろうか。