そら、めぐる。
3人できゃあきゃあ言っているうちに先生が入って来た。
なんか凄い先生。
竹刀持ってる……。
怖いな……。
「さぁ、始めるぞぉー!起立ー!」
ガタガタ……ガタ…
「遅いっ!何故、起立に2秒もかかるんだ⁉やる気がないからだ‼やり直しだ‼全員着席しろ‼」
怖っ‼‼
案の定怖かったよ。
皆、さっきと目の色が違うじゃん……。
先生も怖いけど、周りの人達も怖すぎだよぉ~。

賢太先輩と蓮先輩が近くにいてよかった。
皆が皆怖かったらストレス溜っちゃうもんね。
「本気を出せ!おい、お前‼志望大学はどこだっ⁉」
上位者席の男子生徒が呼ばれた。
可哀想……。
「僕の志望大学はっ!天兵桜平大学ですっ‼‼」
天兵桜平大学〜⁇⁇
天平大?
天平大って……
日本一のトコだよ…?
レベルがあたしと違いすぎる……。
一気に不安が込み上げてくる。
「そうだ!我々、筆佐田予備校はエリートを育成する予備校だ!ついていけないヤツは辞めてもらう。」
辞め…辞める……⁉
何それ……。
塾にクビってあんの?
やばいじゃん……。
頑張らなきゃッ‼
「気を取り直して、起立‼」
ガラッ
さっきとは比べ物にならないくらい、起立のスピードが皆速い。
凄い。
これが…エリート……
「始めまーーす‼」
「「「「お願いしまーーす‼」」」」
気合入りまくりだぁ〜・・・。
「では、30秒間、黙想ーっ!始め‼」
もくそー⁉
何故〜⁉
塾で黙想⁇⁇
塾って大変だぁぁぁぁぁぁぁあああああ!
もう死んじゃうよ……。
「やめっ‼」
あたしは大きく深呼吸して目を見開いた。
もうテスト用紙は配られている。
名前を書こうと、シャーペンと消しゴムを筆箱から取ろうとした。
が。
「消しゴム忘れたっ!」
しまったぁ~・・・。
「ホイッ!貸したあげる♪ふぁいとっ☆」
…コロン
あたしの机の上に、白くて四角い綺麗な消しゴムが転がってきた。
蓮先輩……。
「ありがとうございますっ‼」
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