俺様で、先輩で…
「……そうなるわね…………」
ポツリと小さく呟いたお母さん。
でも、あたしには
どうすることもできなくて………。
それ以上なにも言えなくなった。
それから、
何週間かして、新しいお父さんがきた。
「やぁ、初めまして愛ちゃん」
「こんにちは」
あたしにとっては、
お父さんとお母さんが
離れてしまってすぐに新しいお父さんなんて、
親しくなんてできるわけない。
そっと差し伸べられた手を
あたしは、指の方だけ掴んだだけだった。
「おやおや、緊張してるのかな?」
そう言って、
お母さんとくすくす笑った。