君の字 <<==短編==>>
 俺はすぐさま手紙を読んだ。


 中には、綺麗に整った那緒の字。




『好きでした』




 那緒からの手紙には、謝罪の言葉と、那緒の気持ちが綴られていた。




 那緒、もういいんだ。

 俺に彼女はもういないんだから。

 那緒、俺にもう一度だけチャンスを下さい…。









 俺は、誰もいない廊下を走った。
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