君の字 <<==短編==>>
 二度目の夏休みが終わって、夏が終わろうとしているとき、それは起こった。





 放課後校門で、俺の彼女である礼ちゃんを待っていた時、ケータイに電話がかかってきた。




「もしもし?礼ちゃん?」

 電話の向こうから声がかえってこない。



 どうしたんだろう…?


『早瀬…?』


 礼ちゃんからの電話のはずなのになぜか那緒の声が聞こえた。


「え?那緒?どうして?」


 疑問だった。


 礼ちゃんと那緒は知り合いではないず。


 なのにどうして…?


 唐突に那緒が話し出した。



『早瀬、よく聞いてね。女の子はね、少しのことで傷つくし、気にするの。礼ちゃんは、絶対に私の存在が怖いと思うの。だって大切な人が取られるかもしれないじゃない?だから、だからね…』





 わけがわからない。


 なんで那緒の声は震えているんだ?


 しかも、俺になにがいいたいのかがわからない。




「おい、那緒?なんなんだよ…?」



 様子がおかしい那緒。

 いったいなにが言いたい…?






『早瀬、私と縁切って』
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