君の字 <<==短編==>>
「おい!?那緒!縁切るって、どういうことだよ、なぁ!?友達やめるって事か!?」



 どうして急にそんなこと言うんだ?


 もしかして、礼ちゃんがヤキモチやいたのを心配してなのか?



『そうだよ。今まで仲良くしてくれて、ありがとう。礼ちゃんの不安を取り除けるのは早瀬だけだから。ごめんね、もう相談にはのってあげられない…』




 待てって、那緒!

 勝手に話しを進めるな!





「ちょ、那…」





 言い終わる前に電話が切られた。









 俺の耳に聞こえるのは、俺と那緒の最後の繋がりをじゃまする機械的な音。
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